6.「妖怪」なら無断引用してよいのか

野木さんはマルクスにあこがれてるのでしょうか、共産党宣言の有名な一節紛いをまず唱えます。

一匹の妖怪がパレスチナを俳個している。白燐弾という妖怪が

そうして、マルクスがいう妖怪は19世紀の労働運動という実態だったが、野木さんがいう妖怪は 白リン弾についての現代の伝説だというのです。


ようするにこの論考は、<軍ヲタ>諸君でおなじみの、<白リン弾はたいした兵器ではないのだ、非人道的だと騒ぐから心理的兵器に祭り上げられているだけだ。>という珍論の集大成なのです。


12ページにも渡る文章ですから、全部を読むとなんとなくその気にさせる力を持っています。しかし、その気にさせる力は占い師でも教祖様でももつことができます。<科学とロジック>が有るかどうかは、全く別物です。


著作権の問題もあり、また野木文を買って読みたいと思う人もいるでしょうから、できるだけ引用は1/3ぐらいにしたいと思うのです。・・・しかし野木文の出だしのこの章は、野木さんがWEBから無断引用した文章の羅列です。


実に要領の良い売文テクニックです。他人の文章を勝手に引用して、それを妖怪と称して原稿用紙の升目をうめればいいのですから(笑)。


まあそれはともかく、私は、野木さんが引用したこれらが、決して妖怪とはいえないことを、それこそ<科学とロジック>で論証し、できるだけ名誉を回復してあげたいと思います。なぜなら、罪のない民間人、女性や子供を、殺すな傷つけるな、という記者たちの志を大切にしたいからです。


中にはかなり大げさな言い回しもありますので、それは率直に指摘します。ですから、この部分では引用が1/3を超えてしまうでしょう。それでも、9割無断引用の野木さんよりはよっぽどマシです。