〈人は死に向かって歳をとる〉

 11月1日(土) 統一教会の「F弁護士」とこのブログで書いたら、削除依頼が来ている、どうしますかとNTTコミュニケーションズから問い合わせがあったことはすでに紹介したこと。削除を求めたのは福本修也(ふくもとのぶや)弁護士であった。そのNTTコミュニケーションズから通知書が届いた。結論は「当社として送信防止措置は講じないこととなりましたのでご通知申し上げます」。つまりは削除はしなくていいとのこと。その理由が明らかでないのはどうしたことか。ところがウィキペディアでは「福本修也」の項目が削除されてしまった。理由は統一教会信者である根拠がないということであった。しかし福本弁護士が信者であることは韓国統一教会の「史報」の祝福名簿にも公開されていることだ。東京第二弁護士会のプロフィールで文鮮明教祖の言葉を「座右の銘」としているが、その出典もある。ここではキーワード的に書いておくが、東大に派遣された「エヴァ部隊」(女性信者による勧誘)で入信し、万物復帰(物品販売)にもかかわったことを証言する複数の元信者もいる。いつでも「蔵出し」できる。

 風邪気味。新しい写真と言葉を加えた藤原新也さんの『メメント・モリ』(三五館)を見読。「死を想え」という「メメント・モリ」。中村一好さん、上田耕一郎さん、そして韓国で統一教会の調査を助けてくれていたKさんの死を想う。いまあるこの小さな私の精神を形成してくれた人たちが去り逝く哀しさは、さらなる自立への道程でもある。まさに「天下独往」。大山の事務所。京都から支援に来てくれたKさんたちと街頭での訴え。路地を経めぐりつつ幾多の出会いと励ましあり。ここで風邪を食いとめなければと合理化し池袋「おもろ」で泡盛のお湯割り。田中康夫さんが最近語っている「社会的公正と経済的自由」とのスローガンが気になり、ステュアート・シムの『デリダと歴史の終わり』(岩波書店)を読みはじめる。「死者は往々にして生者より強い力をもちうる」(ジャック・デリダ)。「〈人は死に向かって歳をとる〉って大江(健三郎)が書いているんだよ」と上田耕一郎さんが副委員長室で語った口調が心に浮かんできた。夜は赤塚不二夫さんの追悼番組を見る。


投稿日 2008/11/02 人物 | リンク用URL